借金2,267万円。
俺がこんなにも高額の借金を背負う羽目になった理由は、救いようもなく自業自得なのだが、転機になった場面がある。
それが、俺が経営している会社のメインバンク(地方銀行)の営業マンからお願いされたフリーローンだった。
もし、あなたが懇意にしている銀行の営業さんからフリーローンの依頼があったのなら、この記事を参考に、ぜひ断ってほしいと思う。
というわけで、今回は「銀行の営業にお願いされたからといってホイホイとフリーローンなんか組むなよ」という戒めのお話である。
俺がフリーローンを契約するまでの話
今からちょうど4年前の2016年3月。
当時の俺は、前年の5月に父親が経営する会社の取締役になったばかりだった。この頃からウチのメインバンクを含め取引のある3つの銀行の営業マンと面識があった。
その中で、メインバンクの営業マンが俺と面会がしたいということで会社に訪ねてきたのだ。
営業マンとの最初の面談 2016年2月
現場の作業やお客さんへの営業などは得意だが、銀行の営業マンとのやり取りは初めてだったので、緊張しながら面談した。ここから初心者経営者として俺の銀行とのバトル(会社の金利折衝など)が始まるんだ!な~んてね。
が、そんなバトルは繰り広げられず、勧められたのはフリーローンの話だった。
営業「ナオキさん(俺のこと)、僕を助けると思ってフリーローンの査定だけ受けていただけませんか?」
昔から銀行さんのお願いで投資信託などの話はあった。
けれど、俺自身、跡取りとはいえ経営者じゃなかったし、そもそも販売手数料がアホみたいに高かったので、これまでその手の営業は無視していたのだ。
ただ、今回は取締役になって初めての銀行さんとの面談。ここで無下にするのもどうかなと思った愚かな俺は、査定くらいならとOKしてしまったのだ。
査定の結果 2016年3月
最初の面談から2週間ほどして、俺に貸せるフリーローンの査定額が出た。
金利8.8% 貸付額100万円 10年返済
え?査定額、低くない?
金利はまぁまぁ低いけど、100万円しか借りれないのは意外だった。そんな疑問を銀行マンに問いかけるとこんな回答だった。
営業「役員報酬の受け取りの口座をウチにしていただければ、あと200万円まで借りれますよ」
当時の俺は、複数のネットバンキングを利用していて、給料の振込先を住信SBIネット銀行に設定していた。この給料の振込先をウチのメインバンクに変えることを条件にあと200万貸すと言ってきたのだ。
金利8.8% 100万円の借り入れ 2016年3月
実は俺は、このフリーローンの話があるまえに、同じ銀行の普通預金口座でカードローンを利用していた。カードローンの金利は年利10.0%で、すでに300万円ほどマイナスの引き出しをしていた。
つまり、給料の振込口座を変更してフリーローンで300万借り、カードローンの返済をすれば1.2%の金利が浮くというわけだ。300万円だと3万6千円ほどお得という計算になる。
俺は、あんまり考えず、とりあえずフリーローンで100万円の借り入れの契約をし、給与振り込みの変更をする旨を営業マンに伝えた。「ありがとうございます!」と感謝を述べ元気よく帰っていった。
話が違う200万円の借り入れ 2016年5月
給与の振り込み口座の変更申請自体はあっさりと終わった。
ただ、ウチの会社の決算が3月で経理が忙しいから口座変更は4月分からということになった。ちなみにウチの会社は15日締めの25日払いである。
給与の振込口座の変更をした旨を営業マンに伝えると、25日の支払い後に再度査定が入り、ゴールデンウィークに入るので残りの200万円の契約は休み明けになるといわれた。
そして、休み明け。
提示されたのは「金利9.8% 貸付額200万円 10年返済」だった。
あれ?話が違くない??
金利9.8% 200万円の借り入れ 2016年5月
営業「いや~年度をまたいだら、金利が1%も上がっちゃいました。すみませ~ん」
「ちょっとコイツどついたろか!」と思ったが、どうもこのフリーローンの商品自体が俺の信用情報と関係なく全体的に上がってしまったようだ。
うーん、これならカードローンと借り換えをしなくてもいいんじゃないか。なにしろ0.2%しか金利が違わない。200万円だと、利子額の差は4千円だ。家族4人でマックに行ったら結構ギリギリな金額差だよ。別に借りなくて良くない?
マトモな俺の良心を駆逐したのが、ギャンブル症な俺だった。
当時俺は、自動売買で年利100%とか500%とかの商材に心を奪われていたのだ。
年利10%そこそこでお金を借りて、商材の購入費用とタネ銭200万あったらすぐに返済できんじゃね?っと、盛大な墓穴を掘っている最中だったのだ。
やめとけって!それ返ってこなくなるヤツだから、やめとけって!!
今だから言えるが、当時の俺が未来の俺の声に耳を傾けるはずもない。
俺「じゃぁ、200万借ります。」
ああ。。。_| ̄|○
おまけ:金利9.8% 300万円の借り入れ 2018年7月
2016年に300万円の借り入れをした2年後、俺はさらに追い込まれていた。
何なのだろうか、FXの自動売買のために用意した口座(FX-Mate)が引き落とし不能となり、他の投資案件でも大きく資金を減らした。借金返済の原資になればと、アフィリエイトや個人輸入などのネットビジネスにも手を出し続けた。
結果、2018年7月には借金は1,500万円になろうとしていた。
俺の人生オワタ。
そんな時に、またあの銀行の営業マン。
営業「ナオキさん、代表取締役にご就任おめでとうございます。300万円借りませんか?」
2018年に代替わりということで、代表取締役(社長)になっていた俺。ちなみに親父は代表取締役(会長)で残っている。
家族にも、会社でも、借金で首が回らないことをおくびにも出していない俺にとって、悪魔のささやきはとても甘美だったのだ。
二つ返事で「金利9.8% 貸付額300万円 10年返済」の条件でフリーローンの契約書にハンコを押す俺。
素直に借り換えにしておけば借金1,500万円で金利が多少安くなっていたのに、結局、別のことに使えば借金は1,800万円に膨らむわけで・・・
それから1年半ほどでさらに借金が450万円以上増えるなんて思わないわけで・・・(現在のことね)
今思い返せば、多額の借金を抱える羽目になった転機は、このフリーローンの契約がスタートだったと涙目になりながら回想するしだいでした。
まとめ
と、俺の恥ずかしいフリーローンの契約の物語、お付き合いいただきありがとう。
借金はしないに越したことはないが、その中でも地方銀行のフリーローンは下策の内のひとつだ。(闇金なんかよりはましだけどね)
銀行の営業マンはノルマが非常に厳しいので、客の利益は2の次だったりする。
それが証拠に、利率10%近い借入金額が600万円あるのを知っているにもかかわらず、金利0.38%の1年もの社債を勧めてきたりするのだ。
それでも無下には断れないのが中小企業の経営者のつらいところ。
今後の付き合いを考えて、メインバンクの担当者とは仲良くなっておかなければいけないという強迫観念があったんだよね。腹をくくった今はもうないけど。
地方銀行でフリーローンを組んではいけない理由は別記事で書こうと思う。この記事では、読み物として俺のアホさ加減を笑っていただければ幸いである。あと、地方銀行のフリーローンは組むもんじゃないことも付け加えておこう。
追伸
銀行の営業マンを少々悪いヤツっぽく書いてますが、本当はもっと丁寧に接客してくれてます。結局は俺が全部悪いのはわかってますので、コメントはお手柔らかに。。。(;^_^A