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借金を抱える人にとって最も有効な投資とは!?

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あなたがもし借金を抱えている状況で臨時収入があったら何に使うだろうか。

例えば相続。最近は生前贈与も盛んで、思わぬタイミングで臨時収入が入ってくることもある。

例えば保険や投資した債券・定期預金の満期。満期の日にち自体を忘れている人も多い。もちろん、満期日をしっかりと記憶していたとしても何に使うかまで決めていない場合もある。

臨時収入の機会は意外とあるものだ。

株や為替に投資するだろうか。収益不動産だろうか。銀行に預けておくだろうか。

借金を抱えている人に、最も有効な投資がある。

本記事はその方法と根拠、またリスクについても触れたいと思う。

借金を抱える人にとって最も有効な投資とは

結論から言おう。

借金を抱える人にとって最も有効な投資とは「繰り上げ返済」である。

俺の場合、年利10%を超える借金を抱えている。また、クレジットカードのリボ残高もショッピングとキャッシングともにだいたい年利15%~18%である。

単純に考えても、借金の金利分の投資効果があるのだ。

つまり、借金の繰り上げ返済こそが、最大の利回りを出せる最良の投資である。

具体的な例を挙げてみよう。

年利10%のカードローンの場合

俺は銀行のカードローンが約960万円ほどあるが、その中で分かりやすい住信SBIネット銀行のカードローンの例で計算してみよう。

条件設定

住信SBIネット銀行 カードローン
借り入れ:100万円 年利10.0% 毎月返済額:1万5千円

この場合、1年間の返済額の合計は18万円だ。

また、これから投資を行う案件は、なんと確定で利回り10%の円建ての投資案件であったとしよう。かなり破格な条件だが、ここは計算しやすいように設定してみたのでツッコミはご遠慮いただけると助かる。

この条件で、追加投資なしで100万円の元手があった場合の1年間の利益の差を計算してみると・・・

繰り上げ返済の場合

繰り上げ返済をした場合は簡単だ。

100万円をすぐに繰り上げ返済するので、借入金の利子はゼロ円だ。

当たり前だが、投資を行っていないので、投資での利益もゼロ円だ。

増えも減りもしない。

利回り10%の投資をした場合の利益

次に、年間の返済額18万円を除いた82万円を5%の利回りの投資案件に投資した場合の計算結果を見てみよう。

82万円 × 10% = 8万2千円(投資利益)

となり、投資での利益は8万2千円ということになる。また、投資金額の82万円を足すと90万2千円である。

本来ならここで投資案件に応じた税金が引かれることになるが、ここではややこしいのでNISA口座を利用したことにして無税とする。

続いて、カードローンの利子を計算してみよう。

利回り10%の投資をした場合のカードローン残高

ここでは繰り上げ返済をせず、毎月1万5千円を返し続けた場合のカードローンの残高と利子を計算してみた。毎月返済だと計算式が面倒なので、表にまとめてみた。ご覧いただきたい。(1か月の利子額の計算式:前月残高÷利率10%÷12か月)

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このように、カードローンの残高は916,223円、利子は96,223円となる。

繰り上げ返済vs投資のまとめ

では、最終的にどうなったかをまとめてみよう。

繰り上げ返済の場合は、差し引きゼロ円だった。

では利回り10%の投資をした場合はどうだっただろうか。

投資の利益:82,000円 総額:902,000円
カードローンの利子:96,223円 残高:916,223円
差し引き:-14,223円

というわけで、繰り上げ返済の方が10%利回りの投資案件に投資するよりも実質1万4千円ほど得をする計算になる。

以上、繰り上げ返済は最も有効な投資であることが証明された。Q.E.D .

もう一つの設定

この結果に納得のいかない方もいらっしゃるだろう。

鋭い方はお気づきかもしれないが、これは少々数字のマジックを使っている。それは毎月返済分を最初に投資しないという設定があるから差が出るのではないかという点だ。

もし、元手に100万円があり、毎月の返済額を1万5千円がその都度支払った場合はどうだろうか。

繰り上げ返済の場合は、毎月の返済額(1万5千円)がそのまま残るので、差し引きは18万円。

利回り10%の案件に100万円を投資し、毎月返済が残る場合は、投資利益と元手を合わせて110万円。そこからカードローンの残高916,223円を差し引くと、183,777円となる。

結果、利回り10%の投資案件に100万円を投じた方が、3,777円ほどお得というわけだ。

これなら借金返済よりも儲かる案件に投資したほうが良いんじゃないか!

さらにもう一つの設定

では、さらにもう一つ条件を加えよう。

カードローン他の借金の残高が200万円だった場合だ。

カードローンの残高が200万円だった場合、毎月の返済額が1万5千円では利子の額よりも返済額の方が低くなるので、毎月の返済額を2万5千円とする。

それで計算すると・・・

100万円分の繰り上げ返済をして、毎月2万5千円の返済を行った場合、カードローンの残高は下の表のとおりになる。

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最終的にカードローンの残高は790,569円となる。

次に、100万円を10%の利回りの投資案件に投資し、毎月2万5千円分返済した場合のカードローンの残高は以下の通りだ。

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投資利益と元本を合わせて110万円。 カードローンの残高1,895,282円と合算すると、795,282円

これらを差し引きすると、4,713円分、繰り上げ返済の方がお得という結果となった。

借金を抱える人の最良の投資は繰り上げ返済である

以上を踏まえると、借金の利率と同じで税金や値下がりするリスクを無視するという超優良な投資案件だったとしても、繰り上げ返済の方がお得である、もしくはほぼ同じであるということがお分かりいただけたと思う。

もっと言えば、クレジットカードのショッピングリボやキャッシングリボのように年利15%~18%といった高金利の借金なら、なおさら繰り上げ返済は有効である。

よって、借金を抱える人の最良の投資は繰り上げ返済であると結論付けたいと思う。

繰り上げ返済をしてはダメなケース

ただ、何でもかんでも繰り上げ返済しても良いということではない。例外としてダメなケースもある。

それは、繰り上げ返済した後の支払いが足りなくなるケースだ。

お金を借りられなくなる可能性がある

カードローンやキャッシングリボの場合、通常であれば限度額の枠内なら再度借りることができる。

ところが、フリーローンや住宅ローンなどの場合は、繰り上げ返済してしまうと再度借り入れようとするときには新規での契約となり、新たに借りれるという保証がない。

また、俺のような多重債務者や、一度でも支払いが遅延したブラックリスト入りした人だと、カードローンやキャッシングリボなどでも返済すると限度額も大幅に減らされたり、最悪な場合には借り入れができなくなることがある。

なので収入を超えて臨時で支払うべきものが決まっているのに、借金を繰り上げ返済してしまうと、その支払いが払えないという事態に陥ってしまうのだ。

繰り上げ返済は計画的に?

せっかく臨時収入があったのに、繰り上げ返済をしたせいで新たにお金を借りれず、支払うべきものが支払えない。そんな悲惨な事態を防ぐためにも、借金を抱えているのなら、日ごろから自分の家計をしっかりと記録するとともに、予め収入と支出の計画を立てておくことが重要だ。

とはいえ、計画的にできないからこんなに借金を抱えてるんだ!という声が聞こえてきそうだ。というか俺自身が一番大声で叫んでる気がする。だからそういう人の気持ちも良く分かるつもりだ。

それでも、人それぞれ置かれている状況は違う。高額な負債を抱えているなら、計画を立てないと行き当たりばったりの一か八かな生活を余儀なくされてしまう。生活が破綻するリスクを背負うし、最終的に完済もできない。

ぜひ、収支の計画を立てて欲しい。

まとめ

最後、説教臭くなってしまって申し訳ない。

この記事では、借金を抱えている人が投資を考えるくらいなら「繰り上げ返済」を視野に入れてほしいと思い、書いたつもりだ。

繰り上げ返済のメリットは、借金の金利が高ければ高いほど、どんな投資よりも効率的で有効であることだと述べた。

また、繰り上げ返済のリスクは、借金の種別や返済する人の状況に応じて再度借りることができなくなるかもしれないところだ。

人間、借金がある中で臨時収入が入ると、そのお金を元手に一か八かの賭けを考えてしまうものだ。また、超高利回りでリスクも激高の投資案件に手を出してしまうかもしれない。俺がそうだった。

本記事を参考に、繰り上げ返済のメリットとリスクを考えたうえで、最も良い判断を下す材料としていただければ幸いである。

追伸

俺はこれまでハイリスクな投資や高額な情報商材でかれこれ失敗しました。借りれるのなら全てぶっこめ!というギャンブル依存症真っ青な自分がいたせいです。その結果が借金2,267万円。あなたには俺と同じ道を歩まないよう心からお祈りします。