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なぜおまとめローンを活用すると月々の返済額が下がるのか

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軽い気持ちで少額から始めたのに、いつの間にか複数の金融機関から高い金利で多額の借金を背負ってしまう・・・

そ~んな多重債務で首が回らない人にぴったりな金融商品があります。

その名も「おまとめローン」

おまとめローンを活用すると、複数の金融機関の借金を一本化することで毎月の返済額を下げ、ゆとりをもった生活を取り戻すことができます。

ある意味、自己破産や任意整理など、不利益(ブラックリスト入り等)を被らずに月々の返済額を減らせるポピュラーな方法の1つです。

また返済日も毎月1回となり、金融機関ごとの返済日に頭を悩ませることもありません。地味に嬉しいですね。

しかも借金の金利を大きく下げることも可能です。

とってもお得ですよね。

良いところばかりに見えますが、ではなぜ「おまとめローン」を活用すると金利を下げることが出来るのでしょうか?

今回はおまとめローンの謎に迫ります。(大げさw)

おまとめローンで月々の返済額が下がる理由

金利が下がる理由は、結論から言うと、おまとめローンを取り扱う金融機関側にメリットがあるからです。

まぁちょっと考えれば分かるのですが、おまとめローンの金融機関は、他の金融機関に支払っている利子のぶんが、多少金利を下げたところで丸儲けな訳です。

具体的な例を挙げましょう。

おまとめローンの具体例-条件設定-

例えば、年収600万円の人が、A銀行に金利12%で120万円、B銀行に金利14%で90万円・C銀行に金利14.5%で60万円、借金していたとしましょう。

総額で270万円です。

すべてカードローンで返済期間は5年とします。

上の条件の場合、毎月の返済額・5年間の返済総額は

1.A銀行 26.7千円/月・160万円 2.B銀行 20.9千円/月・125万円 3.C銀行 14.1千円/月・85万円

以上のようになり、合わせると毎月の返済は約6万円で、返済総額は370万円になります。利子の総額は370万円-270万円で100万円ですね。

あ、数字は全て四捨五入しています。以下も同様です。

おまとめローンの具体例-返済総額を減らす-

まずは、返済期間を変えずに返済総額を大きく減額するケースです。

A銀行のおまとめローンを活用し、A銀行に金利10%で総額270万円の借り入れ、B銀行とC銀行に全額繰り上げ返済したとします。

期間は変わらず5年間とします。

上の条件の場合、毎月の返済額・5年間の返済総額は

1.A銀行 57.4千円/月・344万円 2.B銀行 0千円/月・0万円  3.C銀行 0千円/月・0万円

3銀行から借りているときよりも、毎月の返済が2,500円ほど安くなりました。

返済総額も370万円から344万円となり、5年間で26万円も減額することが出来ました。

おまとめローンの具体例-毎月の返済額を減らす-

続いて、返済総額を変えずに、月々の返済額を減額するケースです。

A銀行のおまとめローンを活用し、A銀行に金利10%で総額270万円の借り入れ、B銀行とC銀行に全額繰り上げ返済したとします。

返済期間を1年増やし6年間とします。

上の条件の場合、毎月の返済額・6年間の返済総額は

1.A銀行 50.0千円/月・360万円 2.B銀行 0千円/月・0万円  3.C銀行 0千円/月・0万円

月々の返済額は5万円となりました。

3銀行から借りているときよりも、毎月の返済が1万円ほど安くなりましたね。

返済額が安くなってなお、返済総額も370万円から360万円となり、6年間でも10万円の減額となりました。

月々の返済が1万円も減額するので、実際のおまとめローンの場合はこちらのケースを選ぶことが多いでしょう。

おまとめローンの金融機関側のメリット

借金返済にあたり、机上での計算とは言え、借りる側は大きなメリットを享受することが確認できました。

では、貸す側、つまり金融機関側のメリットはあるのでしょうか。

先ほどのケースで計算してみましょう。

元々の金利は、120万円で12%、90万円で14%、60万円で14.5%。

金利を加重平均すると、270万円で13.2%です。

それが、おまとめローンの設定では270万円で金利10%に設定しています。

13.2% → 10%

実に、3.2%も金利を下げて計算しているんですね。

まぁ極端に金利引き下げに成功した例ですが、あり得ない数字ではないと思います。

こんなに金利を下げて金融機関側のメリットはあるのでしょうか?

単純な利子収入が上がる

例に挙げた金融機関の中で一番得をしているのがA銀行です。

おまとめローンを活用する前と後で、単純に利子を計算してみましょう。

2つ目のケースで上げた、6年返済の設定です。

1.おまとめローン前 返済総額160万円、利子40万円 2.おまとめローン後 返済総額360万円、利子90万円

なんと、金利は12%から10%に下げているのに50万円も利子収入が増えます。

返済リスクは同じなのに、みすみす他の金融機関に利子収入を取られるくらいなら、多少、金利を下げてでもまとめて貸し付けた方がお得なんですね。

債務者のリスクを管理できる

単純な利子収入を上げる以外にも、金融機関側のメリットは他にもあります。

複数の金融機関から少額ずつ借りるとなると、どうしても金利が高くなり、その分、毎月の返済額が高くなります。

また、毎月の返済にあたって複数の支払日に、複数の支払い口座を管理する必要があり、几帳面に管理していないと、すぐに返済し忘れが発生します。

つまり毎月の返済が苦しくなると同時に、決められた日に入金されず、フォローを入れる手間が発生します。

それが、おまとめローンだと、1つの金融機関にまとまっており、通常の場合、金利や支払い期間を調整して月々の返済額が減ります。

月の返済額が減ると、余裕が出来ますので、自己破産などで債務者が債務不履行になるリスクを下げることが出来るんですね。

銀行の場合、メイン口座に指定できる

おまとめローンを活用する金融機関が銀行の場合、債務者に給与振り込みを行うメインの銀行口座に変更を条件にすることが出来ます。(メイン口座にすると金利をさらに下げるよ~などと条件をつける)

実際、僕もフリーローンの金利を下げる代わりに、それまでネットバンクをメインで使っていたのを、フリーローンを組んだ地方銀行の口座に変更しました。

給与振込の口座に指定することで、その後の定期預金や住宅ローンなど別の金融商品を活用してもらいやすくなります。

これは大きなメリットです。

口座をおさえることで、最悪の場合、口座凍結などの処理が出来ますしね。こわっ!

繰り上げ返済された金融機関のメリット

一番恩恵を受けるのは、おまとめローンを組んだ銀行です。

では、おまとめローンによって繰り上げ返済された金融機関にはメリットが全くないかというと、そんなことはありません。

というのも、自社の貸し付けだけであれば返済状況からある程度のリスク管理ができますが、複数の金融機関からお金を借りている多重債務者の場合、自己破産して債務不履行になるリスクが大きくなります。

債務不履行になるくらいなら、さっさと回収したいと考えるのが金融機関です。

今回は計算がしやすいように、借り入れた直後の例で計算しましたが、本来ならおまとめローンで返済するまで、数ヶ月~数年は経っていると思います。

その期間の分、金融機関は貸し付けた元金プラス利子を受け取っています。

なら、すでにいただいている利子のぶんプラスと考えた方が建設的ですね。

まぁ厳密に言うと事務手続き等でコストが回収している利子よりも大きい場合がほとんどだと思いますが、債務不履行よりはマシとなるのでしょう。

リスクの大きい多重債務者から少額の利子収入を得るよりも、健全な債務者から健全に利子をいただく方がリスクなく儲けることができてお得ですね。

まとめ

ということで、おまとめローンは借りる側、貸す側、貸してた側、3方向にメリットがある方法です。

とはいえ、借金なので、当然デメリットもありますし、リスクもあります。

今回の計算では、金利の加重平均13.2%が10%に変更するという、成功例でしたが、もちろん、こんなに上手くいかない場合もあります。

特に景気の良いときは、インフレを抑制するために金利が上がる傾向にあります。(現在の日銀はゼロ金利が続いてますが)

なのでおまとめローンを活用するタイミングや社会情勢にも大きく左右されます。

借りる側の収入の状況(返済能力)にもよります。

それでも、おまとめローンは月々の返済額を大きく減らす可能性を秘めています。

もし、借金返済で日々の生活が苦しく、自転車操業のように借りて返すを繰り返している人は、ぜひトライしてみて下さいね。

ひょっとしたら大きく変わるかもですよ。

追伸

僕もけっこうな多重債務者なのですが、現在、おまとめローンを限度額いっぱいまで活用する方向で進んでいます。僕の詳細は決定したらご報告しますね。